一人法人の作り方

法人口座は1行目で詰まる|「鶏か卵か問題」を2行同時申込で突破した話|GMOあおぞら×住信SBI

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さおり

会社を設立した直後にぶつかるのが「法人口座、どこで作る?」問題。私の場合、顧客と契約するには法人口座が必須だったので、急いで作る必要がありました。

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結論から言うと、GMOあおぞらネット銀行と住信SBIネット銀行(NEOBANK)の2行を同時並行で申込み、ほぼ同時に開設しました。ただし両行とも開設まで一筋縄ではいかず、同じトラブルに直面することに。この記事では実体験ベースで「ネットバンクの選び方」と「申込み時に詰まらないコツ」を書きます。

なぜネットバンクを選んだか

法人口座の選択肢は大きく3つあります:

  • メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ):信用は最強、ただし1回の振込手数料がネット銀行の2〜3倍(1件330〜495円)。さらにネットバンキング自体に月額1,760〜3,300円かかるプランが多い(無料プランや設立直後の無料特典もあり)
  • 地銀・信用金庫:地元密着・対面の安心感、ただし支店訪問が必要
  • ネットバンク(GMOあおぞら・住信SBI・楽天・PayPay等):そもそもネット完結なのでインフラコストが低く、口座維持費も振込手数料もコスパ最強

私がネットバンクを選んだ理由は3つ:

  1. スピード重視:来店不要・オンライン完結・最短即日発行。契約締結を待たせるわけにはいかなかった
  2. 固定費の安さ:口座維持手数料0円・振込手数料も100円台。月1〜2回の振込でも積み重なるのが固定費
  3. 店舗・通帳・印鑑のレガシーコストなし。すべてネットで完結するシンプルさ

「硬貨が使えない」は逆にメリット

ネットバンクの定番デメリットとして語られる「硬貨の入出金ができない」。でも一人法人で、役員報酬・取引先への支払い・経費精算はすべて振込orクレジットカードで済むので、硬貨を扱うシーンは現実的にほぼゼロ。

むしろ私は「硬貨を扱えないのは逆にメリット」と感じています。硬貨で出し入れすると使途不明金が出やすいから。「ATMで小銭引き出して何に使ったか覚えてない」みたいな曖昧な経費は、税務的にもクリーンじゃない。

振込・カード払いに統一すればすべての出入金が記録に残り、会計ソフトと自動連携できる。一人法人なら、これでむしろ会計の透明性が上がると思ってます。

取引先からの入金口座にネットバンクでも問題なし

「ネットバンクの口座を取引先に伝えて、契約上で問題が出るのでは?」と心配する人もいるかもしれません。結論、私の場合は今までゼロ。BtoB取引でも入金口座がGMOあおぞらや住信SBIで困ったことは一度もありません(少なくとも今のところ)。

取引先側からすれば、振込先として銀行名・支店名・口座番号が指定できれば十分。「メガバンクじゃないとダメ」という声は今のところ聞いたことがありません。

なぜ2行同時に申込んだか

当時は「ネット銀行は審査落ちることもある」なんて知識はゼロ。顧客との契約締結が迫っていて、どちらでもいいから早く口座を作りたかった──その一心でGMOあおぞらと住信SBIに同時申込みしただけでした。

結果として、これが大正解。両行とも開設まで想定外に時間がかかり、しかも同じトラブルに直面したからです。1行だけだったら契約に間に合わなかったかもしれません。

2行とも詰まった:「鶏か卵か」問題

GMOあおぞらと住信SBIの両方で、申込み後に追加書類を求められました。具体的には取引先との契約書・請求書

でも、ここで詰みました。顧客と契約するには法人口座が必須なので、契約書がない。請求書も発行できない。つまり:

📌 口座を作るには契約書が必要

📌 契約書を作るには口座が必要

典型的な「鶏か卵か」問題。これが2行とも同時に発生して、本当に困りました。これは新規法人がぶつかる最大の壁と言っていいと思います。

ここから先は、2行それぞれで突破方法が違いました。

体験談①GMOあおぞら:税理士に相談

このままでは契約締結に間に合わない、と焦って税理士に相談しました。

するとラッキーなことに、その税理士がGMOあおぞらに法人口座開設の担当窓口を持っていたことが判明。「うちの新規法人クライアントです」と税理士から直接話を通してもらったところ、そこからは一気に開設まで進みました

税理士の紹介ルートがなかったらどうなっていたか、正直分かりません。書類のやり取りだけで何週間もかかった可能性があります。

※ 税理士をつけるかどうか迷っている方は 一人法人を作るとき、税理士って最初から必要? もご参照ください。

体験談②住信SBI:職務経歴書で突破

住信SBIの方は、税理士パイプがなかったので別の方法を考えました。

「銀行が知りたいのはマネロン目的じゃなく、ちゃんと事業を回す気がある人かってことのはず。だったら、契約書がなくても事業実態は他の方法で示せるんじゃないか」。

そこで思いついたのが会社員時代の職務経歴書。「この人は◯◯業界で長年こういう仕事をしてきて、その延長で起業した」と分かる資料です。これを送ってみたところ、すんなり審査が進み、無事開設できました。

振り返って思うのは、設立直後の法人は審査側から見ると実態が見えないブラックボックスだということ。決算書も取引実績もないので、「代表者個人の経歴」を見せるのが、いちばん手っ取り早く事業実態を伝える方法だったわけです。

「ネットバンクは簡単」は半分神話

ネット情報や本では「ネット銀行は法人口座作るの簡単」と書かれがち。たしかに対面銀行よりは柔軟で、バーチャルオフィスでも携帯電話でも問題なく作れる時代です。

ただ、「設立直後で取引実績がない」段階で申込むと、必ず追加書類を求められると思っておいたほうがいい。事業実態を示すモノが何もない状態だと、銀行側もどう判断していいか困るので、開設までに時間がかかったり、追加質問のラリーが続いたりします。

逆に言えば、事業実態を示す資料を出せれば、ほぼ突破できる。具体的には:

  • 個人事業時代の確定申告書、契約書、請求書(個人事業主からの法人成りの場合)
  • 会社員時代の職務経歴書(私はこれで突破)
  • 税理士・知人・取引先からの紹介ルート(あれば最強)
  • バーチャルオフィスの法人口座開設サポート(レゾナンス等が提携窓口を持っている)

銀行は「紹介者の信頼」で安心して審査を進めるので、紹介ルートがあるとスムーズ。書類審査だけでなく、担当者対応も短時間で済むようになります。

※ 補足:私が契約しているバーチャルオフィスのレゾナンスも、利用者向けにGMOあおぞらネット銀行の法人口座開設サポートを用意しているそうです。私はこのサービスの存在を後から知ったので使えませんでしたが、バーチャルオフィス契約者という実態がある分、紹介ルートとしては有力。これからレゾナンスを契約する方は、口座開設サポートも合わせて検討するとお得かもしれません。

→ レゾナンスをはじめとしたバーチャルオフィス選びは バーチャルオフィスの選び方|レゾナンス・GMO・DMMを比較した本音 で詳しく解説しています。

最初の1個目が大変、2個目以降は楽

銀行と話した感じだと、法人口座は最初の1個目が一番大変。2個目以降は格段に楽になると思います。事実、ネットバク開設後に信金口座を作りましたが、ネットバンクの口座があったおかげでスムーズに開設できました。

理由はシンプルで、1個目の口座があれば、そこを「メイン口座」として提示できるから。「すでに○○銀行で法人口座を持っています」と申込時に書ければ、審査側は「ちゃんと実態のある会社だ」と判断しやすくなります。

※ 設立2年目以降は決算書の提出を求められるケースもあるため、初年度に作っておくのが楽です。

後日談:信用金庫も追加して3行体制に

口座開設の理由は、当時社会保険料がネットバンクから引き落としできなかったこと。
今は、ネットバンク2行+信金で社保引き落としという3行体制で落ち着いています。

※ 現在は社会保険料のネットバンク引き落とし対応も拡大しているようなので、これから法人を作る人は最新の対応状況を要確認です。

1個目(ネットバンク)を突破した後の信用金庫追加は、「すでに法人口座を持っている」状態で申込めるので、格段にスムーズでした。

→ 信金の法人口座については 【体験談】信用金庫で法人口座を開設した理由と審査のリアル と、【体験談】法人口座開設で信用金庫から自宅訪問が来た! で詳しく書いています。

主要法人ネットバンク比較(2026年4月時点)

銀行口座維持手数料他行宛振込同行宛振込開設スピード社保引落
GMOあおぞら法人0円143円0円最短即日
住信SBI法人 NEOBANK0円130円〜0円最短翌日
楽天銀行 法人0円3万円以上229円52円来店不要
PayPay銀行 ビジネス0円145円0円新規5回/月無料
みんなの銀行 法人2026年度早期に提供開始予定(個人向けはスマホ完結のデジタル銀行)

※ 手数料・サービス内容は2026年4月時点の公式情報。最新は各銀行公式サイトで必ず確認してください。
※ 社保引落:◯=自動口座振替に対応/△=Pay-easyによる都度払いのみ対応(自動振替は不可)

振込手数料は業界全体で値下げ競争中。GMOあおぞらは2025年8月に143円、PayPay銀行も2025年5月に145円に引き下げ。今後さらに下がる可能性もあります。

【FAQ】法人口座ネットバンク開設でよくある5つの疑問

Q1. 設立何日後に申し込める?

登記簿謄本が取れた直後から申込可能。

Q2. 資本金はいくら必要?

制度上は1円でも可。実務上は100万円以上が無難(事業継続性の判断材料になる)。

Q3. 住所はバーチャルオフィスでも開設できる?

バーチャルオフィスでも携帯電話でも開設OK。

Q4. 個人口座と紐づける必要は?

不要。法人口座は法人名義で完全独立。

Q5. ハンコの届出は必要?

ネットバンクは基本「印鑑レス」。

まとめ

  • ネットバンクは来店不要・オンライン完結・固定費の安さでスタートアップ向き
  • 「簡単」は半分神話。鶏か卵か問題で詰まりやすいので要注意
  • 突破策は事業実態を示す資料(職務経歴書・確定申告書・法人口座を持つ社長からの紹介など)
  • 1個目が一番大変。急ぐなら2行同時申込がリスクヘッジになる。

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さおり
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50代・一人法人代表
IT系中小企業を辞めた51歳が、いきなり一人法人を作りました。退職金なし、起業経験なし、コネなし。それでも会社、作れます。節税・法人口座・税理士・バーチャルオフィス——会社員時代には知らなかった話を、失敗談も数字も全部オープンに。
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