会社を辞めて一人法人を作った手順を全部教える
「会社を作りたいけど、何から始めればいいの?」

私も最初はそうでした。社員からいきなり独立して法人化することにしたものの、手順がまったくわからない。まず自分で全体像を把握したくて、とにかく調べまくりました。
この記事では、退職準備から会社設立、法人口座開設まで、私が実際にやった全工程をリアルに書いています。それぞれの詳しい体験談は別記事に書いているので、気になったところから深掘りしてください。
会社員から一人社長まで:大きく3段階
ざっくり書くと、こんな流れです。
- 退職準備(退職届のタイミング・書き方)
- 会社設立(会社名・法人種類・登記住所・設立手続き・税理士選び)
- 法人口座を作る(信用金庫を選んだ理由・自宅訪問)
順番に見ていきます。
退職準備
会社を辞めるとき、意外と見落としがちなのが退職届を出すタイミング。退職日を月末にするかどうかで、社会保険料の負担が数万円変わります。知らずに退職すると普通に損します。
退職届はいつ出すべき?
法律上は14日前でOK。ただ円満退職を目指すなら、3ヶ月前が現実的です。退職日は必ず月末に設定すること。月中退職にすると、その月の社会保険料を丸ごと自己負担になるので要注意。
→ 【知らないと損】退職日いつにする?月末退職と社会保険料の罠
退職届の書き方
手書きかテンプレート印刷か、縦書きか横書きか、封筒の表書きと折り方は? 小さなことだけど、知っておいたほうが無難なマナーをまとめました。
→ 退職届の書き方|届出日・退職日・西暦・縦書き、迷うポイント全解説
退職前に知っておくべき:失業給付の4年延長特例
退職届を出す前に、絶対に知っておくべき制度。2022年7月施行の起業後廃業の特例で、起業しても失業給付の受給期間を最大4年に延長できるようになりました。離職票を捨てるとこの権利を失うので注意。
→ 【知らないと損】起業しても失業給付4年もらえる+再就職手当の選び方
→ 【GW・夏休みに考えたい】3月退職を綺麗に着地させる半年ロードマップ|冬ボーナス満額の取り方(夏休みから始める半年計画)
→ 会社辞める前に作っとくクレカと住宅ローン|会社員の信用力を使い倒す(退職前のお金関連準備)
会社設立
退職の目処が立ったら、いよいよ会社設立。一人法人を作るときの4つの決め事を順番に。
①会社名を決める〜縁起が良いとされる画数とは
いざ会社を作るとなると、まず会社名に悩みます。最初は「覚えやすく、発音しやすい名前」を考えていましたが、先輩社長から意外なアドバイスをもらいました。
「画数も気にした方がいいよ」
23画が縁起が良いと聞いて調べてみると、確かに「会社名 画数」で検索するといろいろな情報が出てきます。私は会社名占い.netを使って画数を確認しました。
ちなみに画数を数えるときは「株式会社」「合同会社」「事務所」の文字は除きます。
会社名の決め方は奥が深いので、別記事に体験談込みでまとめました。「会社名の決め方|一人法人を作るときに50代の私がチェックした5つのポイント」もあわせてどうぞ。
会社名を決めるときのポイント:
- 縁起が良い画数(気にする人は23画を意識)
- 覚えやすい・発音しやすい
- ドメインが取得できるか確認する(ホームページやメールアドレス用)
ドメインは会社名と揃えておくとブランディング的にも◎。私は会社名を決めてからすぐにドメインを確認して取得しました。
②法人の種類を決める〜株式会社か合同会社か
一人社長の場合、法人の種類は「株式会社」か「合同会社」の2択がほとんどです。
| 比較項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 設立費用 | 約24万円〜 | 約10万円〜 |
| 社会的信用度 | 高い | やや低い |
| 役員の任期 | 最長10年(更新必要) | 任期なし |
| 代表の肩書 | 代表取締役 | 代表社員 |
最初は設立費用が安い「合同会社」にするつもりでした。一人社長で従業員を雇う予定もなく、代表取締役の肩書も必要ないと思っていたので。
実際、開業から数年経った今、BtoBの案件をこなす中で「株式会社にしてよかった」と感じています。合同会社より会社として扱われている感があって、これが「信用」というものなのかなと。ただしBtoCビジネス中心の方や、コストを抑えたい方は「合同会社」で十分だと思います。
→ もっと詳しく:合同会社と株式会社、どっちで一人起業した?50代の選択と理由
③法人印鑑を発注する〜届くまで1〜2週間かかる
法人の種類(株式 or 合同)が決まったら、すぐに法人印鑑(実印・銀行印・角印の3本セット)の発注も同時に進めましょう。印鑑には「株式会社○○」「合同会社○○」と彫られるので、法人形態が確定してからでないと作れません。届くまで1〜2週間かかるので、後回しにすると登記の足を引っ張ります。
印鑑選びの詳しい体験談(黒水牛3本セットで6,875円・住所印1,343円・楽天で買った店舗・押し方のコツまで)は別記事にまとめました:
→ 法人印鑑、結局6,875円の黒水牛3本セットにした話
④資本金をいくらにするか〜1円〜1000万円の判断軸
1円から法人作れますが、増資手数料・信用面・消費税免税特例(1000万円未満)を考えると最初の設定が大事。私は100万円スタートにしました。
→ もっと詳しく:資本金は1円でいい?100万にした合理的判断と消費税免税の話
⑤独自ドメインメールを用意する〜会社設立で意外と忘れがち
会社設立で意外と忘れがちなのが「独自ドメインのメールアドレス」です。私の場合、設立直後から取引先との契約が決まっていたので、設立前に独自ドメインメールが必須でした。「会社名@会社ドメイン.com」というメアドが用意できているかで、取引先からの第一印象も変わります。
独自ドメインメールを用意するには、レンタルサーバーを契約してメールアドレスを発行するのが定番。会社のHP(ホームページ)も同じサーバーで運用できるので、一石二鳥です。
★私が選んだのは ConoHa WING。理由は、ドメイン無料&メールアドレス作り放題&管理画面が分かりやすいから。月額1,000円弱で会社のメアド環境が整いました。会社設立直前に契約して、設立日には独自ドメインメールが使える状態にしておきました。
→ ConoHa WINGで独自ドメインメールを作る(公式サイト)
他の選択肢として、エックスサーバーも法人利用で人気のレンタルサーバー。サポート体制が手厚く、業界最大手の安心感があります。「絶対に止まらないサーバーが欲しい」という人はエックスサーバーも検討の価値あり。
→ 詳しくは:【知らないと損】会社設立で必要なレンタルサーバー、ConoHa WINGとエックスサーバーを比較した本音(2社比較表+本人体験談)
→ エックスサーバーで独自ドメインメールを作る(公式サイト)
⑥登記の住所を決める〜自宅かバーチャルオフィスか
一人社長でオフィスを借りる必要もない場合、本店所在地の住所をどこにするか悩みます。名刺やホームページ、契約書に自宅の住所が出るのはカッコ悪いし、自宅ばれしたくない。
- 戸建て:基本的に問題なし
- マンション(賃貸・所有):管理組合の規約で「居住用のみ」の場合、登記できない可能性あり→要確認
「ポストに事務所名が書いてある部屋があるから大丈夫」と思っていても、実は管理組合的にNGなケースもあります。マンション住まいの方は必ず事前確認を。
自宅を登記住所にできない場合はバーチャルオフィス一択です。月額数百円〜数千円で好みの住所を借りられるので、コスパは抜群。私も実際にバーチャルオフィスを使っています。
→ もっと詳しく:【体験談】法人登記の住所は自宅とバーチャルオフィス、どちらにすべきか?
バーチャルオフィスを選ぶなら、こちらの3社比較もどうぞ:バーチャルオフィスの選び方|レゾナンス・GMO・DMMを比較した本音
⑦設立手続きの方法を決める
会社名・法人の種類・登記住所が決まったら、いよいよ設立手続きです。方法は大きく3つあります。
方法1:自分で設立する
法務局に自分で書類を提出する方法。費用は最小限ですが、定款作成・公証役場・法務局への手続きなど、慣れていないとかなり時間がかかります。
方法2:設立サービスを使う
マネーフォワード クラウド会社設立などのオンラインサービスを使うと、書類作成がほぼ自動化されるらしいです。会社名・住所・資本金などを入力するだけで書類が完成するので、初めての法人設立でもスムーズに進められるようです。
方法3:税理士・司法書士に依頼する(私が実際に使った方法)
本業が忙しく、会社設立を丸投げしたい人におすすめ。タイパよし!コストもそれほど高くないところが多いと思います。
この方法の大きなメリットは、設立と同時に顧問税理士がつくこと。税理士事務所の中には「法人設立代行」と「顧問契約」をセットで引き受けてくれるところが結構あります。つまり、設立サービスを選んだ時点で顧問税理士も決まる仕組み。
私は「IT 法人設立 税理士」で検索して出てきた税理士事務所をいくつかピックアップ、比較検討して1社に絞りました。結果、設立直後から税務・経理の相談相手がいる状態でスタートできたのは本業に集中したい私には大正解でした。
「自分で税理士事務所を比較するのが面倒…」という人は、経営サポートプラスαのような無料相談サービスを使うのもアリ。事業内容に合った税理士を専門スタッフが提案してくれるので、自分で検索して比較する時間が省けます。私のように「IT 法人設立 税理士」で検索する元気がない人向け。
あるいは「複数の税理士事務所を比較してから決めたい」人は、税理士紹介ネットワーク(POLA-RIS)も選択肢。事業内容・地域・予算に合った複数の税理士事務所を紹介してくれるサービスで、相見積もり感覚で選びたい人向けです。
→ 税理士紹介ネットワークで複数事務所から比較する(公式サイト)
→ 詳しくは:一人法人を作るとき、税理士って最初から必要?(よかったこと・分かったことを本音で解説)
法人口座を作る
会社設立が終わったら、次は法人口座の開設。会社員時代とは違い、法人口座は審査があったり書類準備が必要だったりと、地味に時間がかかります。どこで口座を作るかで、その後の運営のしやすさも変わるので、事前に知っておくと動きやすいです。
まずはネットバンクで「最初の1個目」を作る
顧客との契約に法人口座が必須だったので、来店不要・最短即日のネットバンクを最優先。GMOあおぞらと住信SBIに2行同時申込み、ほぼ同時に開設できました。「ネットバンクは簡単」は半分神話で、事業実態をどう示すかが鍵。
→ 法人口座は1行目で詰まる|「鶏か卵か問題」を2行同時申込で突破した話|GMOあおぞら×住信SBI
法人口座、信用金庫を選んだ理由
ネットバンクだけでは対応できない場面(社会保険料の自動引き落としなど)に遭遇した話。メガバンク・地方銀行・信用金庫の選択肢から、信用金庫を選んだ理由。
→ 【体験談】信用金庫で法人口座を開設した理由と審査のリアル
信用金庫の自宅訪問
信用金庫で法人口座を開設すると、本人確認のため担当者が自宅まで来ることがあります。当日までに準備したもの・実際の流れ・15分で終わった体験談。
→ 【体験談】法人口座開設で信用金庫から自宅訪問が来た!準備したものと当日の流れ
まとめ
会社員から一人法人の社長になるまでの道のりは、最初はゴチャゴチャして見えます。でも3段階に分けて進めれば、ひとつひとつは普通の手続きです。全体像を把握してから動けば、そんなに大変じゃない。
- 退職準備(退職届のタイミング・書き方)
- 会社設立(会社名・法人種類・登記住所・設立手続き・税理士選び)
- 法人口座を作る(信用金庫・自宅訪問)
一番大事なのは、退職届を出す前にちゃんと情報を集めておくこと。退職タイミング・会社形態・登記住所・税理士選びは、知っているかどうかで数万〜数十万のコスト差が出ます。「退職してから考えよう」では遅すぎる項目がいくつもあるので注意。
これから法人化を考えている方の参考になれば嬉しいです。
※ 役員報酬の決め方・決算期の準備・経費ルール・倒産防止共済など、運用フェーズの記事は順次追加予定です。
起業すると変わる社会保険・お金の話
会社員から一人社長になると、社会保険の仕組みが大きく変わります。会社員時代に当たり前だった補償が消えたり、新しい備えが必要になったり。知っておくと事前に対策できます。
- 【知らないと損】雇用保険料ゼロに!でも失業給付もゼロ(起業すると雇用保険から外れる話)
- 労災保険の特別加入、起業家も入れる!加入すべきかの判断軸と保険料(2024年11月の制度拡大)
- 一人法人を作るとき、税理士って最初から必要?
- 【GW・夏休みに考えたい】3月退職を綺麗に着地させる半年ロードマップ|冬ボーナス満額の取り方(GW・夏休みに退職を考え始めた人向けロードマップ)
- 【知らないと損】これ経費?って迷うやつ|一人法人OK・NG完全リスト(経費OK/NGの本音リスト)
- 【50代起業】役員報酬の決め方|役員賞与との損益分岐を3年試算した話(試算電卓・早見表・パターン4種類の比較)
設立後にあると便利なツール・サービス
会社設立が完了したら、運用フェーズで揃えていきたい便利なツール・サービスをまとめました。
- 法人印鑑、結局6,875円の黒水牛3本セットにした話(設立前の必須・3本セット選びと押し方のコツまで)
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- 【知らないと損】会社設立で必要なレンタルサーバー、ConoHa WINGとエックスサーバーを比較した本音(会社HP・独自ドメインメール用サーバー比較)
- 【知らないと損】これ経費?って迷うやつ|一人法人OK・NG完全リスト(経費判定の本音リスト)
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起業+ブログ「二刀流」という選択肢
一人法人を立ち上げたあとの収入戦略として、本業(業務委託)+副業(ブログ・アフィリ)の二刀流という選択肢もあります。私もこのパターンで早期リタイアを目指しています。
- 『会社辞めたい』50代エンジニアの選択|一人法人+ブログ二刀流で早期リタイアを目指す
- 【50代の選択肢】会社辞めたら起業・転職・フリーランス、結局どれが正解?(起業以外の選択肢も比較したハブ記事)
